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上の絵:「希望」
下の絵:「無関心」
※さいとう あやこさんのホームページはhttps://saitoayako.com/index.html
などを始めています。
このグラフで分かったことは? 「アイデアの小箱」 をご覧ください。
3)市川はるみさんがNOTE発信中です
第12回は「空調服」がテーマです。
異なるものの中から「同じ」ものを見つける力が・・・ ごらんください。
こんにちは。
今回は、CASIO=カシオ計算機株式会社(以下カシオ)から発売されている耐衝撃腕時計G-SHOCKの開発のカギとなった閃きの瞬間について考えてみたいと思います。G-SHOCKは1983年の発売以降、毎年のように新モデルが発表されつづけ、カシオによると2017年までの世界出荷数が累計1億個を超え、現在は世界138カ国で販売されているそうです。
開発者の伊部菊雄さんがカシオに入社したのは1976年。アナログ時計が主流の時代で、社内でデジタル時計事業が立ち上がったばかりのころでした。入社して数年したころ、社内で人とぶつかった拍子に腕につけていた時計が落ちてバラバラに壊れてしまいました。当時、「時計は精密機器で落とすと壊れる」と言われていました。伊部さんは、それが「現実に起きている!」と床にちらばった部品に目が釘付けになったそうです。
そんなことがあったのち、伊部さんは月に1度の「新技術・新商品提案書」に「落としても壊れない丈夫な時計」とだけ書いて提出しました。その提案書が通ってからが大変だったといいます。
当初は、「厚いゴムで繊細な部品の周囲をカバーすれば、大丈夫だろう」と考えていましたが、ゴムでカバーした部品を3階の窓から落としてみると、中の部品は壊れてしまいます。ゴムの厚みを増しても壊れ、結局ソフトボール大くらいまでゴムを厚くしなければ部品を保護できないことが分かります。
これでは腕時計はできない、と伊部さんは違う方向性を考えます。外からの衝撃が時計の心臓部にダイレクトに伝わらないように、段階的に衝撃を吸収する仕組みを考案しました。外側のケースカバー、内側の金属ケース、ゴムのガードリング、メタルのガードリング、保護ゴムという5段階で次々に衝撃を吸収する仕組みです。
ところが、試作品を3階から落としてみると、これらの部品のうち1つだけが壊れてしまいます。その部品を強くすると今度は別の部品が1つ壊れます。それぞれの部品の強度をいくらあげても、どれか1つの部品が壊れるということの繰り返しでした。のちに伊部さんは「部品同士で強度の一番弱いものが壊れていたのだろう」と分析しています。これでは永遠に壊れない時計は実現できません。伊部さんは行き詰ってしまいます。
発売時期も決まっていましたが、じつは伊部さんは実験の経過について社内で報告をしていませんでした。もう会社を辞めるしかないと覚悟を決めて、「あと1週間、とことん考えてだめだったら終わりにしよう」と期限を区切って、寝ても覚めても考え続けたといいます。それでもアイデアが浮かばないまま、最後の日曜日を迎えた伊部さんは、お昼に会社の外に出て公園のベンチにぼんやり座っていました。
そこで伊部さんは、ボールあそび(まりつき)をしている子どもを見かけ、「子どもは悩みがなくていいなぁ」と、その様子を見ていました。そのとき、「突然、ボールの中に時計が浮いている絵が頭の中に浮かんだ」そうです。「時計の心臓部を浮いている状態にすれば、落としても部品に衝撃が伝わらず、壊れない。浮いている状態を作りだせばいいんだ!」という画期的なアイデアを閃いた瞬間です。
でも、腕時計の中で空中に部品を浮かせることはできません。伊部さんは、衝撃が伝わらない、浮いたような状態を、点で支えるという方法で実現しました。面で接触していると衝撃が面で伝わるのに対して、点で接触していると伝わる衝撃が小さくなり、いわば浮いているような状態になるのです。
こうして、5段階で衝撃を吸収したのち、最後に点接触で心臓部分が浮いているようにした試作品は、3階から落としてもまったく壊れませんでした。こうしてG-SHOCKが生み出されたのです。
伊部さんのこの閃きをET理論の式にあてはめると、このようになります。
弾んでいるゴムボールを見ていて頭の中に「ボールの中に時計が浮いている絵」が浮かんだとき、伊部さんは、ほぼ完成形の「壊れない時計」の構造を直観的に認識していたのです。ゴムボールは、中のものを守るためのものではありません(中には空気しか入っていません)。にもかかわらず、そこから一気に自分がつくりたいと思っている時計の構造を閃いたところが、伊部さんの閃きのスゴイところだと思います。
伊部さんは、当初ゴムで衝撃を吸収する方法を試して挫折していました。段階的に衝撃を吸収する方法でも行き詰っていました。衝撃を吸収する方法ではどうにもならない、と追い詰められていたからこそ、ゴムボールを見て、「空中に浮かす=衝撃を伝えない方法」があることを発見したのではないかと思います。
「ぼくらの履歴書」というウェブ記事の中で、「なぜ、最後の最後でアイデアが浮かんだのだと思いますか?」という質問に、伊部さんは次のように答えています。
持てる力を尽くして、考え抜いたからだと思います。考え続けることは、辛いですし、徒労に終わってしまうことも少なくありません。けれど、その蓄積は決してムダではない。ふとした瞬間に、アイデアにつながることがあるんです。「絶対に実現したい」と思うことに関しては、「極限まで考え抜けば、解決策が出る場合がある」と、身にしみて感じられましたよ。
すごい閃きなどの独創的、革新的な発想力は天才肌など、センスが必要と思われることもありますが、一見報われないような努力の積み重ねと強い思いによって生み出されるものでもあります。だからこそ、発想力を鍛える意味もあるのではないでしょうか。
この記事は、以下のサイト、ウェブ記事を参考にしました。
・さいとう あやこさんの風刺画ご紹介
最近の出来事を風刺をこめてイラストで表現されています。
ものごとの本質を抽出し抽象化し、よく見聞きする内容(熟知系) に変換し イラストに表現するという等価変換の事例として楽しんでください 。
風刺画に興味ある人はHPをご参考に。 https://saitoayako.com
(斎藤さんは、等価カードや等価絵本のイラストの作家です)
この1年間での出来事を風刺をこめてイラストで表現されています 。
ものごとの本質を抽出し抽象化し、よく見聞きする内容に置き換え て イラストにするという等価変換の事例として楽しんでください。
本馬達夫の ET関係記事エピソード 2022年10月28日.pdf PDFファイル 1.1 MB
10月25日で94歳の誕生日を迎えられ、このたびET論に関して会員への参考になればということでご自身のエピソードを寄稿されました。
ご参考になれば幸いです。
本馬達夫の ET関係記事エピソード 2022年10月28日.pdf
PDFファイル
1.1 MB
齋藤綾子先生のイラスト
・さいとう あやこ先生の風刺画のご紹介
NPO法人日本創造力開発センター発行の「等価カルタ」「等価絵本」の
イラストはすべて、さいとう先生にお願いしています。
風刺画は、作者が訴求したい本質を全く別の切り口で1枚のイラストに
表現しています。風刺画は等価変換の事例として参考になります。
さいとうさんから送られてきた風刺画で本質を見つけてください。
もっと興味のあるかたは、
さいとう あやこ先生のHP検索されたらいかがでしょうか。
<http://www.saitoayako.com> http://www.saitoayako.com です。
斎藤綾子先生のイラスト_ページ_5.jpg
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異なるものの中から「同じ」を見つける力が画期的な発想の土台になる
こんにちは。
今年の夏も猛暑でしたね。
ここ数年、夏に工事現場や畑などで「空調服」をよく見かけるようになりました。
ファンが2つついている上着です。
株式会社空調服のサイトには次のように紹介されています。
「空調服™」(ファン付ウェア)とは服に付いた小型ファンで、服の中に外気を取り入れ、体の表面に大量の風を流すことにより、汗を気化させて、涼しく快適にすごしていただくための製品です。(略) 工場や屋外作業などエアコンの使用できないような環境でも、快適にすごしていただけるようになります。
https://www.9229.co.jp/products
より
両脇につけられたファンから取り込まれた空気が、服の中を通って首元や手首の隙間から外に出ていく構造になっています。
私はこの服を見かけたとき、手持ちファンを服に取りつけたのだと思いました。
ライフオンプロダクツ株式会社ウェブサイト
https://lifeonproducts.co.jp/product/pr-f072/
より
言うまでもなく手持ちファンは、うちわや扇子で手動であおぐかわりに、電動で風を起こして涼しくするものです。手であおがなくても、楽に、パーソナルに涼しい風を受けることができる手持ちファン。たしにかに、これを服に取りつければ身体全体が涼しくなります。
コロンブスの卵のような、言われてみれば「そんなのあたりまえじゃん」と思うけど、なかなかできない発想、グッドアイデア!と思ったのです。
ところが、「空調服」の開発秘話を読むと、以下のような着想、開発の段階をたどったそうです。
https://www.9229.co.jp/about/story
市ヶ谷弘司さんは、自分の会社で開発したブラウン管の評価装置を販売するために、1990年代の後半、タイやマレーシアなどのアジアの国々を回っていたそうです。そのとき、大きなビルが次々に建てられているのを目にしました。そして「エアコンの電気消費量はすごいだろう」「これをどうにか改善できないか」と漠然と思ったそうです。
「省電力で涼しくするしくみ」を実現するために、打ち水(水が蒸発するときに周囲の熱が奪われて気温がさがる)にヒントを得て、水を活用することを思いつきます。
そして、実験の途上で、空間全体を冷やす必要はなく、「人間だけを冷やせばいい」と考えついたそうです。部屋も着衣も、どちらも身体を囲む空間を作るという機能は同じです。つまり、市ヶ谷さんは部屋と着衣の等価性に気づき、部屋の空気を冷やすクーラーと同じように、着衣の中の空気を冷やせばいいことに気づいたのです。
人がいる空間を涼しくするのではなく、人が着ている着衣の中を涼しくする、という発想の転換でした。市ヶ谷さんの発想は、「空調服」という名前のとおり、着衣の中を冷やすパーソナルなクーラーという発想だったのです。この着眼点を得たことが「空調服」という、これまでになかったものを生み出すのに決定的でした。
市ヶ谷さんはこの発想にもとづいて試作を開始しました。クーラーは気化熱(打ち水と同じ原理)と、熱交換の原理で部屋の空気を冷やします。市ヶ谷さんは、クーラーと同様に着衣の中の空気を冷やそうと、当初はペットボトル式のタンクから吸い上げた水を服に散布して、それをファンの風で気化させようと考えました。
ところが、水漏れなどの問題に直面し、試作を繰り返したもののうまくいきませんでした。
そこで水漏れ問題の解決方法を考えているうちに、市ヶ谷さんは、人間にも打ち水と同じ機能を持つ汗があることに気づきました。汗の主な機能は体温調節です。気温が高くなったり運動したり、風邪などで発熱したときに汗が出て、皮膚の表面上で水分が蒸発するときに熱を奪い体温を下げます。
この汗をファンで送った風で早く蒸発させることができれば、身体からより早く熱が奪われてより涼しくなります。打ち水の原理で外から水を持ち込んで空気を冷やそうとしていた市ヶ谷さんですが、暑くなれば身体から出る汗を気化させればいいことに気づいたのです。こうして、着衣の中の空気を冷やすのではなく、(汗をすばやく気化させることで)身体から直接熱を奪い、より効率よく涼しさを実現できる方法に到達しました。
そのうえ、汗を利用するため、気化させる水や、水をうまく散布するための器具が不要になり、一気に実現性が高くなりました。その後は、最適に汗を蒸発させられるように、衣服にとりつけた小型軽量・バッテリーで稼働するファンを調整して「空調服」が完成しました。
「空調服」の開発では、部屋と着衣の等価性に気づいたことが革新的な発見でした。それがうまくいかなかったとき、打ち水と汗の等価性に気づいたことで、問題を打開することができました。
そうして、思いつきそうで思いつかない、シンプルでインパクトのある製品を作り出すことができました。
もしかすると、「手持ちファンを服に取りつける」という発想はいずれ誰かが思いついていたかもしれません。けれども、現実にはそれより早く、部屋と着衣の等価性、打ち水と汗の等価性に気づいたことで、画期的な「空調服」が作られました。
打ち水の原理は、注射を打つ前にアルコール綿花で消毒したときや、お風呂上りなど濡れた状態で風にあたるとひんやり涼しく感じるなど、だれでも体験していることです。それでも、その体験から新しいものを創造できる人はまれです。
「空調服」の開発の過程からも、異なるものの中の「同じ」を見つける力=等価性を発見する力が画期的な発想の土台となることがわかるのではないでしょうか。
創造理論「等価変換理論(Equivalent Transformation Theory =ET理論)」による子ども向けプログラムを開発・実施。創造性は生きる力につながります。ここではET理論の基礎となる考え方や、その視点から考えたことを書いていきます。等価変換創造学会準会員。
こんにちは。
今回は、CASIO=カシオ計算機株式会社(以下カシオ)から発売されている耐衝撃腕時計G-SHOCKの開発のカギとなった閃きの瞬間について考えてみたいと思います。G-SHOCKは1983年の発売以降、毎年のように新モデルが発表されつづけ、カシオによると2017年までの世界出荷数が累計1億個を超え、現在は世界138カ国で販売されているそうです。開発者の伊部菊雄さんがカシオに入社したのは1976年。アナログ時計が主流の時代で、社内でデジタル時計事業が立ち上がったばかりのころでした。入社して数年したころ、社内で人とぶつかった拍子に腕につけていた時計が落ちてバラバラに壊れてしまいました。当時、「時計は精密機器で落とすと壊れる」と言われていました。伊部さんは、それが「現実に起きている!」と床にちらばった部品に目が釘付けになったそうです。
そんなことがあったのち、伊部さんは月に1度の「新技術・新商品提案書」に「落としても壊れない丈夫な時計」とだけ書いて提出しました。その提案書が通ってからが大変だったといいます。
当初は、「厚いゴムで繊細な部品の周囲をカバーすれば、大丈夫だろう」と考えていましたが、ゴムでカバーした部品を3階の窓から落としてみると、中の部品は壊れてしまいます。ゴムの厚みを増しても壊れ、結局ソフトボール大くらいまでゴムを厚くしなければ部品を保護できないことが分かります。
これでは腕時計はできない、と伊部さんは違う方向性を考えます。外からの衝撃が時計の心臓部にダイレクトに伝わらないように、段階的に衝撃を吸収する仕組みを考案しました。外側のケースカバー、内側の金属ケース、ゴムのガードリング、メタルのガードリング、保護ゴムという5段階で次々に衝撃を吸収する仕組みです。
ところが、試作品を3階から落としてみると、これらの部品のうち1つだけが壊れてしまいます。その部品を強くすると今度は別の部品が1つ壊れます。それぞれの部品の強度をいくらあげても、どれか1つの部品が壊れるということの繰り返しでした。のちに伊部さんは「部品同士で強度の一番弱いものが壊れていたのだろう」と分析しています。これでは永遠に壊れない時計は実現できません。伊部さんは行き詰ってしまいます。
発売時期も決まっていましたが、じつは伊部さんは実験の経過について社内で報告をしていませんでした。もう会社を辞めるしかないと覚悟を決めて、「あと1週間、とことん考えてだめだったら終わりにしよう」と期限を区切って、寝ても覚めても考え続けたといいます。それでもアイデアが浮かばないまま、最後の日曜日を迎えた伊部さんは、お昼に会社の外に出て公園のベンチにぼんやり座っていました。
そこで伊部さんは、ボールあそび(まりつき)をしている子どもを見かけ、「子どもは悩みがなくていいなぁ」と、その様子を見ていました。そのとき、「突然、ボールの中に時計が浮いている絵が頭の中に浮かんだ」そうです。「時計の心臓部を浮いている状態にすれば、落としても部品に衝撃が伝わらず、壊れない。浮いている状態を作りだせばいいんだ!」という画期的なアイデアを閃いた瞬間です。
でも、腕時計の中で空中に部品を浮かせることはできません。伊部さんは、衝撃が伝わらない、浮いたような状態を、点で支えるという方法で実現しました。面で接触していると衝撃が面で伝わるのに対して、点で接触していると伝わる衝撃が小さくなり、いわば浮いているような状態になるのです。
こうして、5段階で衝撃を吸収したのち、最後に点接触で心臓部分が浮いているようにした試作品は、3階から落としてもまったく壊れませんでした。こうしてG-SHOCKが生み出されたのです。
伊部さんのこの閃きをET理論の式にあてはめると、このようになります。
弾んでいるゴムボールを見ていて頭の中に「ボールの中に時計が浮いている絵」が浮かんだとき、伊部さんは、ほぼ完成形の「壊れない時計」の構造を直観的に認識していたのです。ゴムボールは、中のものを守るためのものではありません(中には空気しか入っていません)。にもかかわらず、そこから一気に自分がつくりたいと思っている時計の構造を閃いたところが、伊部さんの閃きのスゴイところだと思います。
伊部さんは、当初ゴムで衝撃を吸収する方法を試して挫折していました。段階的に衝撃を吸収する方法でも行き詰っていました。衝撃を吸収する方法ではどうにもならない、と追い詰められていたからこそ、ゴムボールを見て、「空中に浮かす=衝撃を伝えない方法」があることを発見したのではないかと思います。
「ぼくらの履歴書」というウェブ記事の中で、「なぜ、最後の最後でアイデアが浮かんだのだと思いますか?」という質問に、伊部さんは次のように答えています。
持てる力を尽くして、考え抜いたからだと思います。考え続けることは、辛いですし、徒労に終わってしまうことも少なくありません。けれど、その蓄積は決してムダではない。ふとした瞬間に、アイデアにつながることがあるんです。「絶対に実現したい」と思うことに関しては、「極限まで考え抜けば、解決策が出る場合がある」と、身にしみて感じられましたよ。
すごい閃きなどの独創的、革新的な発想力は天才肌など、センスが必要と思われることもありますが、一見報われないような努力の積み重ねと強い思いによって生み出されるものでもあります。だからこそ、発想力を鍛える意味もあるのではないでしょうか。
市川はるみ NOTE から https://note.com/harumiichikawa/n/n56faf986f8bf
こんにちは。これまで「異なるものの中の『同じ』を見つける」ことと創造性について、9回にわたって記事を書いてきました。10回目の今回は原点に戻って、等価変換理論(ET理論)の考える「創造」について考えてみます。
ET理論は、さまざまな科学史、技術史の創造的な業績(発明と発見)を研究して「創造」に共通する過程を解明し、体系化した理論です。そうして導き出された「あらゆる創造に共通する過程」を表したのが「等価方程式」で、それを少し簡単に図にしたものがこれです。
この図を言葉にすると次のように表すことができます。
「創造」とは、すでに存在するAから、Bに受け継ぐべき「ある観点での本質」を抽出して、そこにBに必要なものを取り入れて再構成すること。
じつは、自然界にこの過程を体現している例があります。昆虫の完全変態です。キアゲハの例で見てみます。
子孫を残すために、ライフサイクルを栄養摂取と成長に特化した時期(幼虫)と、生殖に特化した時期(成虫)に分けるという進化を遂げた蝶は、次のような過程を経て完全変態します。
① 幼虫
幼虫は卵からかえるとひたすら食べつづけます(その食欲旺盛な様子が『はらぺこあおむし』を生んだんですね)。幼虫の身体はエサをたくさん食べて栄養を摂り、成長することに適しています。頭部には葉をかみ砕く顎があり、胸部についた足(成虫の足になる)以外に腹部には吸盤のような腹足があり、葉や枝の上を安定して動くことができます。4度脱皮をくり返して身体を大きくしていきます。
5齢(終齢)の幼虫は、十分に成長すると頭部にある分泌腺からアタラ体ホルモン(幼若ホルモン)が分泌されなくなり、胸部にある分泌腺から前胸腺ホルモン(脱皮ホルモン)が分泌されます。すると、幼虫は動きを止めて蛹になっていきます。
② 蛹
蛹になると、幼虫は生きながらに「解体段階」に入ります。気門系(呼吸系)、循環系、神経系の器官などを除いて、葉を噛むための口や腹足などが解体されていきます。細胞も解体されてアミノ酸のレベルにまで溶解する部分もあるといいます。
幼虫に特有の身体の器官が解体されていくのと同時に、身体の中に散らばっていた「成虫原基(成虫の器官となる細胞の芽)」の成長活動が、解体された器官の栄養を受け取って行われます。
こうして、溶けずに持ち越された気門系、循環系、神経系の3つの器官を中心に、成虫としての身体が作られていきます。
③ 成虫
蛹から羽化した成虫は、幼虫とはまったく異なる姿、生殖に適した体になっています。飛び回ることができる大きな翅を持ち、口は花の蜜を吸うのに適したストロー状の口吻(こうふん)(吸収管)になっています。そして、オス、メスそれぞれ生殖可能な生殖器がつくられています。
こうして飛び回って移動できる成虫となって、相手を見つけて交尾をし、適切なところに卵を産むという子孫を残すための使命を果たすことができるのです。
アゲハの完全変態は、
① 幼虫の段階に始まって、
② 蛹の段階では幼虫に固有のものを捨て、成虫に必要なものを導入・再構成し、
③ 成虫の段階へと展開する
という創造過程なのです。
いかがですか? 昆虫の完全変態を「創造」というのはぴんと来ないかもしれませんが、上記のように図に当てはめてみれば、その過程が合致していることがわかります。
このように、ET理論では、どんな「創造」も、なにもないところからつくられるのではなく、すでにあるものをどこかに受け継いでいると考えます。市川亀久彌著『創造性の科学』では、次のように言い表しています。
創造とは、歴史的な過去を受け継いで、これを新しい条件の下で、未来に向かって変換再構成していくこと
このことは、技術史を見ても明らかです。人間はどの時代も、過去から受け継いだ技術や知識のうえに、新しい技術や発想を取り入れて、それまでになかったものを創造してきました。それが繰り返されてきた結果が現在の世界です。
一つの例として、自動車が発明されるまでの過程について考えてみます。
現在の自動車にはさまざまな機能がありますが、「地上をより少ない力で移動する」という観点では、その原点は「コロ」と呼ばれる技術にあると考えることができます。
重いものを地面に置いたまま曳いても、地面との摩擦力が大きくてなかなか動きません。これを並べた丸太の上において曳くと、丸太が回転するので地面との摩擦が大幅に少なくなり、小さな力で動かすことができます。コロは有史以前に発明されたと考えられています。日本でも築城などで大きな石を運ぶのに使われていました。今でも造園現場や家屋を解体しないで移動させる曳家で使われています。
この画像は、造園会社景松園さんのHPに掲載されていました。画像には「重量物を軽々と移動できるのが”コロ”です」というコメントが添えられています。
コロの技術は、「丸いものを転がして上の物を移動させる」技術です。丸太が1回転すると円周と同じだけ丸太が前に移動します。それと同様に、上に置かれた物も円周と同じだけ前に移動するので、丸太が1回転すると円周の2倍進みます(すごいですね!)。けれども、丸太が何本も必要で、物の移動にあわせて、後ろの丸太を前にもってこなければならない、という不便さがありました。
コロの技術を受けつぎつつ、この不便を解消したのが「車輪」です。最初は人力で曳く大八車のようなものが発明されたと考えられています。車輪(車軸)と荷台は固定されているので、進む距離は車輪の円周と同じになりますが、「丸いものを転がして上の物を移動させる」という本質はコロと同じです。
荷車が発明されて以降、車輪の技術が時代に応じて新しいものに受け継がれていきます。
馬が家畜化されると、馬車がつくられました。もっとも古い記録として、紀元前2500年前の古代メソポタミアのウルの遺跡から出土した、馬に曳かせた戦車(チャリオット)が描かれたレリーフがあるそうです。
その後、戦車に限らず「車輪のついた乗り物」が、世界各地でつくられてきました。なかでも馬車は自動車が発明されるまで、長い歴史の中で多くの改良が重ねられていきました。
馬車の次に「車輪がついた乗り物」として発明されたのは、自転車です。自転車博物館によると、世界最初の自転車は1818年に特許が取得された、地面を蹴って進む「ドライジーネ」でした(自転車の原型と言ったほうがいいかもしれませんね)。
「車輪のついた乗り物」である馬車がすでに存在していたこと、軽量で強度のある車輪やサスペンションの技術が実現されていたことが、自転車の発明を可能にしたことは間違いないでしょう。それにしても、車輪を縦にならべて乗るという発想は革新的ですね。自転車が発明されると、鋼鉄のスポークやゴムタイヤ、ペダルなど多くの技術が開発されていきました。
そして、1886年1月29日、カール・ベンツが世界ではじめて「動力をそなえた乗り物」の特許を取得しました。自動車の誕生です。自転車好きだったベンツがつくった世界初の自動車は、エンジンを搭載した三輪車のようでした。ちょうど同じころ、ゴットリープ・ダイムラーがつくった自動車はエンジンで動く馬車のようでした。
メルセデス・ベンツのホームページにはこのように紹介されています。
もちろん、発明されて間もないエンジンの小型化や、動力を車輪に伝えたり切り離したりするクラッチ、曲がるときに外側の車輪を内側の車輪より早く回転させる差動装置など、多くの技術開発の末に自動車が誕生したのですが、写真を見ると、それぞれ自転車の技術、馬車の技術を生かしつつ、自分で漕いだり、馬に曳かせたりという動力部分を、エンジンという新しい技術に置き換えて自動車が発明されたことがわかります。ウェブCGの記事によると、ダイムラーの自動車は馬車を改造してつくられたそうです。その後130年の自動車の進化に目を見張ります。
コロから荷車、馬車、自転車、自動車、すべてに受け継がれているのが「地上をより少ない力で移動する」という観点での本質「丸いものを転がして上のものを移動する」です。
空中タクシーの実験も進んでいる今、これからは自動車のどんな観点のどんな本質が受けつがれて新たなものが創造されるのか、注目です。
創造理論「等価変換理論(Equivalent Transformation Theory =ET理論)」による子ども向けプログラムを開発・実施。創造性は生きる力につながります。ここではET理論の基礎となる考え方や、その視点から考えたことを書いていきます。等価変換創造学会準会員。
観点を変えると、違う世界が見える
https://note.com/harumiichikawa/n/na9b76b0ab12e
こんにちは。
今回は「観点」について考えてみたいと思います。
まずは、次の動画を見てください。
最初は山の上にある道が見えると思います。
山に見えていた絵を180度回転させると、終わりには谷に見えます。
次の写真は2つのものをそれぞれ上から写したものと、横から写したものです。上から見たときには、どちらも「カップっぽい」同じような形ですが、横から見ると違った形、違った用途(湯呑とワインカップ)ということが分かります。
同じものでも、見方を変えると見えるものが変わってくるのです。
私たちは通常、一目見ただけで、湯呑かワインカップかを見分けることができますが、それは、無意識のうちに複合的・立体的に見ているからです。ある視点からものを見るということは、他の要素を排するということでもあるのです。
ものごとについて、ある視点から見えるものだけに限定することは、多くの情報をすてることでもありますが、一方、だかからこそ、異なるものとの「同じ」を見つけることができるとも言えます。
たとえば、次の写真のように、湯呑もワインカップも卓球ボールも、上から見た形に限定すれば、「同じ」です。他の要素を排して、その視点で見えるものだけに限定すると、まったく違うもの同士にも「同じ」を見つけることができるのです。
見方(視点)を変えることが、創造的な発想力に必要な理由がここにあります。
ET理論(等価変換創造理論)では、異なるものの中の「同じ」を見つけるための「視点」のことを「観点」と呼んでいます。
「観点」がなければ、異なるものの中から「同じ」を見つけることはできません。先に説明したとおり、見るものを限定して、どういう点で「同じ」なのかを明確にする必要があるからです。たとえば、蝶の口と同じ何かを見つけようとするときに、観点を「収納方法」とし、見方を限定すれば、「同じ」ものとして、糸や賞状などいろいろ見つかります。
また、たとえば、同じ蝶の口について、観点を「機能」とすると、ストローや給油ポンプなどと「同じ」が見つかります。
どちらの観点でも、もっと探せばもっといろいろなものが見つかると思います。(このあたりのことは、「異なるものの中から「同じ」を見つける力が発想力を伸ばす」に書いています)。
こうして見つける「同じ」とは、上の図で言えば、「イコール」の部分で、ある観点から抽出(抽象化)した「本質」(ある観点での本質)です。
ですから、「観点」を変えることは、同じものの中から別の「本質」を見出すことです。
そして、その「本質」によって、「同じ」である異なるものも変わってきます。
観点という、本質を抽出するための軸があるから「本質」が定まる。だから、その「本質」が「同じ」ものを見つけることができます。つまり、観点があるから、異なるもの同士をつなげて見ることができるのです。
また、このように考えることもできます。
単独では、そのものに関する観点は無数にあり、したがって本質も無数にありますが、別のものとの「同じ」が見つかると、観点と本質が定まります。
たとえば、ツバメの赤ちゃんについて「ある観点での本質」を見つけようと思えば、「鳥(観点:生物の種類)」とか「赤ちゃん(観点:成長段階)」とか、「かわいい(観点:見た目の印象)」とか「エサを親からもらう(観点:栄養の獲り方)」とか「くちばしが黄色い(観点:外見)」とか、「ピーピー鳴く(観点:主な行動)」とかいくらでも見つかります。
それが、たとえば「ツバメの赤ちゃんの口」と「がま口財布」との「同じ」が見つかると、「大きく開閉するしくみ(観点:口の開閉のしかた)」という観点と本質が定まります。
つまり、特定の観点を決めて、そこから本質を抽出し、異なるものの中にそれと「同じ」を発見することもできる一方、逆に、直感的に異なるもの同士の「同じ」を発見することで、新たな観点と本質が見出されることもあるのです。
じつは、これと同じようなことが「ひらめき」の瞬間にも起きています。多くの革新的な発見や発明では、このことが起きています。
りんごが落ちたこと から万有引力 を発見
お風呂に入るとお湯があふれたこと からアルキメデスの原理 を発見
などなど。
このnoteでもこのようなひらめきによる開発の事例を紹介してきました。
板チョコ からカッターナイフ を発想
洗いものの皿に浮かんだ油 からガラス製法 を発想
保冷用の蓄冷剤 からアイスクリームメーカー を発想
タコの酢の物 からバスケットシューズ を発想
どの場合も、偶然目に入ったあるもの(あること)と、まだ存在していないもの(まだ明らかになっていないこと)の間に「同じ」を見つけたと同時に、新しい観点と本質を見出しています。
このような例を見ると、「異なるものの中から『同じ』を見つける」ことは、単独でものごとを見るだけでは気づきにくい観点や本質を見つけ、革新的な発想を得るチャンスになるかもしれないことが分かります。
あるものについて、「見方を変えると見えるものが変わる」と言えるならば、「『観点』を変える(見つける)と、違う世界が見える」と言えるのではないかと思います。
以前紹介したウォークマンの開発では、もともとあったポータブルテープレコーダーについて、「いつでも音楽を楽しみたい」という新しい観点を導入したことで(ほとんど、それだけで)、まったく新しい歴史的な製品が生みだされました。
創造性にとって新しい観点を見つけることが非常に重要というのは、この例が示すとおりです。
創造理論「等価変換理論(Equivalent Transformation Theory =ET理論)」による子ども向けプログラムを開発・実施。創造性は生きる力につながります。ここではET理論の基礎となる考え方や、その視点から考えたことを書いていきます。等価変換創造学会準会員。
昨年はコロナで予想もしなかったような1年になりましたね。今年もどうなるのか分からないことが多いですが、少しでもいい年にしていきたいものです。本年もよろしくお願いします。
さっそくですが、今回は、「反対」なのに「同じ」ということについてです。
みどり色の字も白抜きの字もどちらも「あ」で同じです。
判子にも文字が朱色になる「朱文」と文字が白になる「白文」がありますね。文字と背景の色が「反対」だけど、同じ文字です。
これは当たり前すぎる例ですが、もう少し複雑なものでも「反対」なのに「同じ」例はたくさんあります。
たとえば、ジョギングとランニングマシンを使ったトレーニングでは、身体を動かして「走っている」のは同じですが、ジョギングでは移動するのは地面の上の走っている人なのに対して、ランニングマシンでは足元のベルトが移動(回転)します。
とくれば、次はこちらですね。
階段では、人が自分の力で上がっていきますが、エスカレーターでは人は立っているだけで、足元のステップが上がっていきます。ここでは「上がる」図になっていますが、もちろん「下がる」でも同じです。
固定された階段と反対に、階段のほうが「上がる(下がる)」わけですが、階段(ステップ)が上がりつづけるためには、ランニングマシンのベルトと同じように、階段が輪のようにエンドレスで回るようにしなければなりません。
ベルトとちがって階段状のものをぐるぐる回すのためには複雑な構造が必要です。すごくわかりやすい3Dアニメの動画がありました。
エスカレーターは、「人が上に移動する/下に移動する」という点は階段と同じでも、階段とは全くちがう多くの技術によって「階段の反対」が実現されています。
こんな例もあります。
今は魚を焼くときは魚用のロースターを使うことが多いと思います。でも、1960年代くらいまでの日本では、珪藻土でつくられた七輪で炭火をおこして焼くのが一般的でした。おいしく焼けるのですが、魚の油が炭の上に落ちて煙がもくもく出るので、庭や路地など屋外で焼くのが定番だったそうです。
でも、高度経済成長の中で、都市部では集合住宅が増え、急速に人々の生活様式が変わっていく中、煙の出ない魚焼き器(ロースター)が開発されました。
煙を出さないために考えられたのは、熱源を下から上にすること、つまり熱源と魚の位置を反対にすることでした。上から焼けば、油が下に落ちても煙は出ません。
でも、魚焼き器は七輪の熱源の位置をただ反転させただけではありません。熱源は電熱器で、下に落ちる油の受け皿がついていたり、それに適した形になっています。炭火をおこさなくていいので便利になり、室内で簡単に魚が焼けるようになりました。
一方、焼き上がりは七輪で焼いたおいしさには叶わないため、今では炭火や珪藻土の赤外線効果を補うなど、いろいろな改良が加えられた魚焼き器があります。
七輪と魚焼き器も、図にしてみるとシンプルですが、まったく違う技術によって作られています。
つぎに、エネルギーの入力(インプット)と出力(アウトプット)が逆になっている例です。
扇風機と風力発電です。扇風機は電力を入力して羽根を回し、風を起こします。風力発電は風のエネルギーで羽根を回し、発電します。羽根の回転を挟んで、電力と風のエネルギーのと入力と出力の向きが反対です。
もう一つ、エネルギーの入力と出力が反対になっている例を紹介します。水車と外輪船です。
(水車写真はphotoACさんより。外輪船の写真は、琵琶湖で外輪船を就航している琵琶湖汽船のHPから使わせていただきました。外輪を真上から見られるスポットもあるそうで、水を押して船が進む様子をじっくり観察できそうです)
水車は、川などの水の流れを板で受け止めて水車を回し、垂直に回転する運動を機械的に水平の回転に変換して、日本では精米や製粉に利用されてきました。お蕎麦屋さんに水車小屋があったりますよね。水車の回転する力を利用して石臼を回し、じっくりそばの実を挽いて作ったそば粉はおいしいそうで、今でも実際に水車を使って製粉しているこだわりのお蕎麦屋さんもあります。
最近では、水車は発電に利用されることが多くなりました。水車の回転するエネルギーで発電します。風力発電とまったく同じ原理です。
外輪船は、エンジンの動力で水車を回し、つぎつぎに水を押してその反作用で進みます。カヌーのパドルと同じ原理です(外輪船の「水車」部分も「パドル」と呼ぶそうです)。
水車は、水の流れをエネルギーとして取り出して、そのエネルギーを製粉や発電という目的に使っています。外輪船は、エネルギーを使って水車を回し、水の上を進むために利用しています。
エネルギーの入力と出力を逆にすることで、まったく違った目的を達成しています。
以上、「移動するものが反対」「熱源の位置が反対」「エネルギーの入力と出力が反対」の例を見てきました。因果関係や位置、エネルギーなど、1つの要素が逆転しているだけで、まったく異なる技術の開発につながったり、まったく異なる目的が達成されていたり、ダイナミックな違いが生まれていることがわかります。
身の回りの技術や物事についても、なにか1つの要素を逆転して考えてみると、まったく新しいものが見えるかもしれません。柔軟な発想力のために「逆さにしてみる」ことはおススメです。
創造理論「等価変換理論(Equivalent Transformation Theory =ET理論)」による子ども向けプログラムを開発・実施。創造性は生きる力につながります。ここではET理論の基礎となる考え方や、その視点から考えたことを書いていきます。等価変換創造学会準会員。
「異なるものの中から同じを見つける」力は逆境に強い
こんにちは。
緊急事態宣言が解除されましたが、コロナ危機はまだまだ先行きが見えず、厳しい日々がつづきますね。
さて、今日は「異なるものの中から同じを見つける」力が逆境に強い、レジリエントな力でもあることについて、です。レジリエントとは、「強靭」と訳されることもありますが、たんに「強い」のではなく、ダメージに見舞われても回復力があることです。国連の持続可能な開発目標(SDGs)でも「レジリエントなインフラ」「レジリエントで持続可能な都市」など、重要なコンセプトの1つになっています。
少し前になりますが、コロナ危機の中、そんなレジリエントな力を感じた記事が東京新聞に掲載されていました。
「夫がテレワークになり、神経をすり減らしている――。そんな母親たちの声を受け、北区の子育てママ応援サロン『ほっこり~の』は、パパ向け臨時シェアオフィスを始めた」と始まる記事では、次のようなことが書かれています。
コロナのため休業中の「ほっこり~の」は、代わりに電話相談を始めていましたが、在宅勤務中の夫が「子どもを静かにさせろ」と怒鳴るという人や、電話がつながった瞬間に泣き出す人もいるなど子育て中のママたちの悲鳴を受けて、子育てサロンを「パパ用オフィス」として貸し出すことにしました。
1日4人まで個室が利用でき、電源やWi-fiなどもあって6時間で3000円。利用した男性の「(家では)子どもが仕事の電話中も寄ってきて、つい怒ってしまう時もあるが、ここなら集中できる」というコメントも紹介されています。
(東京新聞 2020年4月22日)
子育てサロンをパパ用オフィスにするという発想は、代表の内海千津子さんの「逆転の発想でパパを預かっちゃいます」という言葉どおり、すばらしい発想の転換だと思います。
記事から想像したことを、図にすると次のようになります(あくまで私の想像を図式化したものです)。
コロナ前はこんな感じ。
コロナが流行してからはこんな感じ。
「子育てママ応援サロン」(以下ママサロン)の事業は、子育て中のお母さんたちに子連れでサロンに来てもらって、その場でサロン職員や他の親子と交流することで、孤立したワンオペ育児から束の間解放されて気分転換したり、愚痴や子育て情報などを交換してもらうことでお母さんたちの力になることです。
ママサロンは、お母さんたちがおしゃべりしたり、ちいさい子を遊ばせたり、ゆったりリラックスできる場所です。その場所をお父さんたちが仕事のために使うというのは、いろいろかけ離れていてびっくりしてしまいますが、ママサロンの事業の目的という観点から、ET論的に図にするとこのようになります。
ママサロンの事業の目的から見た本質は「サロンのスペースを使ってママを応援すること」です。
コロナ前、家にいるお母さんたちがワンオペで疲れているときは、母子がサロンに移動して、この目的を達成していました。
コロナ流行下、お母さんたちが家にいる夫によってストレスを感じているときは、夫(父親たち)がサロンに移動して、お母さんたちのストレスを減らして事業の目的を達成しています。
サロンに来る人やサロンの使い方は変わっても、事業の目的からみた本質は変わっていないのです。
さらに、この発想の転換によって、お母さんたちだけでなく、お父さんたちも集中して仕事ができますし、サロン事業にとっても収入が得られます。苦境の中でまさにレジリエントな発想力だと思います。
次に、同じようにレジリエントな発想の転換で、窮地を乗り越えた別の例を紹介します。
明治時代の終わりごろ、大阪の小規模な電球メーカーだったその会社は、大手メーカーが電球を量産するようになってピンチに陥ったとき、「自社がもっている製造技術を生かして事業を継続する」という観点から、製造するものを、電球から魔法瓶に変えて成功をおさめました。
どうしてこのような業種転換が可能だったのでしょう?
それは、電球も魔法瓶もガラスを使って作られていて、形や大きさ、厚みや強度などは違っていても、「中を真空にしたガラスビン」という点では同じだったからです。当時の魔法瓶の基本的な構造は、中が真空の二重構造のガラスビンだったのです。
そこでこの会社は、電球をつくる技術の中の「中を真空にしたガラスビン」製造技術を生かして、つくる製品を切り替えました。
今日では、素材がガラスからステンレスに変わり、大きさや使い方も変化し、魔法瓶はあまり見かけなくなり、かわりにマイボトルを使うことが多くなりましたが、飲み物の温度を保つための基本的な仕組み、構造は同じです。
この会社は、大手メーカーに圧されて大変なとき、「電球」やその業種に囚われず、自分たちの持つ真空のガラスビンを作る技術を生かして、まったく異なる製品、魔法瓶を作る事業に切り替えることで苦境を乗り越えることができたのです。
(市川亀久彌著『創造性の科学』より)
全国魔法瓶工業組合のサイトによると、日本で最初に魔法瓶を作ったのは日本電球会社に在籍していた八木亭二郎さんという方で、輸入された魔法瓶を解体・研究して、1912年(明治45年)に魔法瓶の国産化に成功し、「八木魔法壜製作所」を設立したそうです。
今も有名な象印マホービン株式会社もタイガー魔法瓶株式会社も大阪の企業ですが、このサイトでは、江戸時代からガラス工房があった大阪でガラス工業が盛んだったことから、魔法瓶製造も盛んになったことも紹介しています。
http://mahobin.org/episode.html
2つの例で見たように、自分の力ではどうしようもない苦境に立たされた時、本当に大切な観点から本質を見極めることはレジリエントな力につながります。
ある観点から本質を見極めることは、ある観点で「異なるものの中から同じを見つける」ことでもあります。どんな観点から、どんな要素を削ぎ落して、どんな本質を見出せるのか、それによって得られる発想は大きくちがってきます。
でも、じつは多くの場合、観点を定めて、そこから本質を抽出して......と順を追って思考しているのではありません。観点と本質の発見、さらには解決案・新しい発想のうっすらとしたイメージをつかむところまで、たいてい、ひらめきのように直感的に同時に起こります。
「異なるものの中から同じを見つける」力を鍛えることは、さまざまなレベル、さまざまな位相、さまざまな遠近感での観点とその本質を発見する力を養います。「異なるものの中から同じを見つける」力がレジリエントな力につながる理由がここにあります。
こんにちは。
ナイキのCMが話題ですね。
ナイキのHPによると、タイトルは『動かしつづける。自分を。未来を。』。「アスリートのリアルな実体験に基づいたストーリー。3人のサッカー少女が、スポーツを通して自信を深め、自分たちの未来を動かしつづける。」とあります。
否定的な意見もあるそうですが、私は、みんながありのままで生きられる世界を自分たちでつくっていこう、というメッセージのこのCMはいい動画だと思います。
ところで、今や巨大企業となったナイキの創業者フィル・ナイトさんが、50年以上前、いちばん始めに販売したのは日本製のシューズでした。今回は、そのシューズをつくった鬼塚喜八郎さんが、バスケットシューズを開発したときの等価変換についてです。
さて、鬼塚さんの発想の過程をクイズ形式でみていきます。
1940年代後半、敗戦間もない神戸でバスケットシューズ作りに取り組んでいた鬼塚さんは、「走っていても急にぴたっと止ることのできるシューズが欲しい」というバスケット選手の意見を聞いて、日々、どうすればそんなシューズができるか考えてつづけていました。
そんなある日、晩御飯に出されたある料理を見て、「これだ!」と閃いて革新的なバスケットシューズを開発しました。
ここでクイズです。次の写真を見てください。
(料理の写真はphotoACさんより)
鬼塚さんが「これだ!」と閃いたある料理とはなんだと思いますか?
a お好み焼き
b 太巻き
c タコの酢の物
d かまぼこ
答えはタコの酢の物です。鬼塚さんはタコの酢の物を見て、靴底に吸盤のようなくぼみの深いバスケットシューズをつくることを閃いたそうです。もしかすると、ほかのどれかを見て、まったく違う発想のバスケットシューズを作っていたかもしれませんが、このときは、タコの酢の物が鬼塚さんにインスピレーションを与えたのでした。
アシックスHPより
1950年代初めに発売されたこのシューズは大成功でした。鬼塚さんはこの後も、マメのできにくいマラソンシューズや、その他いろいろな競技用のシューズを開発していきます。
鬼塚さんの会社はのちにアシックスという会社になりました。このエピソードは、アシックスとオニツカタイガーのサイトで紹介されています。
のちにナイキの創業者となるフィル・ナイトさんは、学生時代に、日本製のカメラがドイツ製のカメラに迫っているように、日本製のスポーツシューズも、アディダスやプーマなどのドイツ製のシューズに勝てるか? というような論文を書いていたそうです。
そして、高性能・低価格の日本製のシューズの販売店になろうと1960年代初頭に来日、神戸を訪れ、まだ起業する前だったにもかかわらず、鬼塚さんと会ってアメリカでの販売代理店契約を結んだそうです。
鬼塚さんがタコの酢の物から画期的なシューズを発想したことと、現在のスポーツシューズやスニーカーブームのつながりが感じられるエピソードです。
鬼塚さんは、タコの酢のものから、新しいバスケットシューズを閃きましたが、もちろん、そのままではうまくいきません。
鬼塚さんの創造の過程は先ほどの図に当てはめると、次のように説明できます。
鬼塚さんの頭の中では、「どうすれば急に止まれるシューズが作れるか」と一所懸命に考えていたところに、タコ酢の物(A)という形の情報が目に飛び込んできて、直感的に課題解決の形として吸盤型の靴底(B)を閃きました。その閃きを分解すると、Aの情報に接した瞬間に、タコの吸盤が「吸盤」に抽象化されて、靴底に応用できること、すなわち、AとBに「同じ」があることを見抜いたということです。
その後、「吸盤」に必要な変更を加えて試行錯誤を重ね、最終的に適した形でバスケットシューズに生かされました。
創造的な閃きには、自分の課題に必要な観点からものごとの本質を抽出すること(抽象化)が不可欠です。それは、上の図で言えば、AとBの「同じ」を見つけること、すなわち、「異なるものの中から『同じ』を見つける」ことです。
この、「異なるものの中から『同じ』を見つける」力は、ものごとの表面的なことから思考を解放して、「食べもの」や「生物」、「人が履くもの」や「人工物」など、カテゴリーや素材、用途、大きさなど、あらゆる区分を飛び越える力を持っています。だからこそ、ダイナミックな発想が生まれるのです。
また、あらゆる区分を飛び越える「異なるものの中から『同じ』を見つける」ことは、冒頭のナイキのCMが発信していたような、多様性を重視する社会をつくることにも役に立つのではないか、とも考えています。それについては、いずれ書いてみたいと思います。
創造理論「等価変換理論(Equivalent Transformation Theory =ET理論)」による子ども向けプログラムを開発・実施。創造性は生きる力につながります。ここではET理論の基礎となる考え方や、その視点から考えたことを書いていきます。等価変換創造学会準会員。
こんにちは。
最近、パフォーマー(大道芸人)ちゃんへん.さんの『ぼくは挑戦人』という本を読みました。
その中に、課題を抱えていたときに目に入ったことから閃きを得たというエピソードがありました。
「閃き」については、以前、「結晶化」 という面から説明しました。
この本の中で、ある閃きについて書かれていました。
17歳のときにはじめて出場した大道芸のワールドカップでのこと。1日目のパフォーマンスで、
難度の高い技も決めて「練習の成果を発揮できた」のに、お客さんの反応がよくなかったそうです。
そこで、2日目、3日目はお客さんにわかりやすいように、言葉での説明を加え、テンポを下げ、
技の難易度を落としたスタイルにすると、改善の甲斐があってお客さんは盛り上がってくれて、
投げ銭もたくさん入れてくれました。
3日目のパフォーマンスの後、「何かいい方法はないだろうか」と再び他の人のパフォーマンスを
観察します。
リンゴ飴をなめながら見ているちゃんへん.さんの視界に、ミキサーを操作してBGMを少しづつ大きく
している音響担当の人の姿が飛び込んできました。
その様子を見たちゃんへん.さんは、「あることが閃いた」といいます。
さあ、何が閃いたのでしょう?
答えはココ から
https://note.com/harumiichikawa/n/n44cfdbbfbf54
ちぇんへん.さんは直感的に「BGMの音量を少しづつ上げること」(A)と、
「技の難易度を少しづつ上げること」(B)の中の「同じ」を見抜いて、
高い難度の技でお客さんに盛り上がってもらうショーのスタイルを閃いたのです。
ET理論的に言うと、直感的に「お客さんの感じ方という視点」で抽象化した
「BGMの音量」と「技の難易度」という異なるもの中の「同じ」を見つけたのです。
詳細は市川はるみ氏のホームページをご覧ください。
https://note.com/harumiichikawa/n/n44cfdbbfbf54
今回は等価変換創造学会員の上坂 且さんが開発した、家庭用のアイスクリームメーカーについて紹介します。
当時、上坂
且さんの隣の部署で、「チルファスト」という蓄冷体が開発されました。マイナス10℃以下にまで温度が下がる蓄冷剤を、熱伝導率の高いアルミ容器に詰めたものです。十分に凍らせた蓄冷体を冷凍庫から出すと、蓄冷剤の熱(冷たさ)がアルミを通して少しづつ外気に放出されます。冷蔵車が一般的ではなかったので、冷蔵品を輸送するときの保冷用に開発されました。上坂さんは好奇心から家に1つ持ち帰ったものの、何カ月も冷蔵庫の冷凍室に入れっぱなしになっていました。
ある日、思い出して取りだして見ると缶全体に真っ白に霜がふいていました。そこに、たまたま息子さんがやってきて、牛乳パックを開けようとして手を滑らし、牛乳のしずくが「チルファスト」の缶にかかりました。
すると、缶の表面の牛乳のしずくが見る間に固まり、上坂さんはそれを爪でしごいた瞬間、「これでアイスクリームが作れるかも知れない」と思いました。
上坂 且さんが開発し、1983年に世界で初めて発売された家庭用アイスクリームメーカーでした。
そのアイスクリームメーカーは、「どんびえ」という商品名で、あらかじめ冷凍庫で7時間以上凍らせた容器に原料を入れ、ハンドルを回して攪拌すると、どんどん凍ってアイスクリームができるというものです。発売されると一世を風靡し、日本だけでなく海外でも大ヒットしました。(下の写真)
この発想を、等価変換論(ET論)の等価方程式の図に当てはめると下のようになります。
こんにちは。
新型コロナウイルスの感染拡大が深刻になり、不便と不安の中でお過ごしのことと思います。医療関係者やインフラを支えてくださっている方々に深謝します。
こんなときですが、「異なるものの中に同じを見つける」ことについて、第2回目です。・・・つづきはココ https://note.com/harumiichikawa/n/n484e01aa0f8d
さっそくですが、イカとロケットの同じところは何でしょうか?・・・つづきはココ https://note.com/harumiichikawa
市川はるみ氏
創造理論「等価変換理論(Equivalent Transformation Theory =ET理論)」による子ども向けプログラムを開発・実施。創造性は生きる力につながります。ここではET理論の基礎となる考え方や、その視点から考えたことを書いていきます。等価変換創造学会準会員。
あなたの創造力を試しています。 このイラストは「モノ」とそれを創造するときのヒントとなった「自然・現象」とがペアとなっています。全部のペアを指摘できますか? できれば合格ですよ。
*2020年度05月の活動報告です (2020年6月8日)
日本創造力開発センターの活動ページ をご覧ください。
*2020年度04月の活動報告です (2020年5月11日)
日本創造力開発センターの活動ページ をご覧ください。
*2020年度03月の活動報告です (2020年4月8日)
日本創造力開発センターの活動ページ をご覧ください。
*2020年度02月の活動報告です (2020年3月8日)
日本創造力開発センターの活動ページ をご覧ください。
*2020年度01月の活動報告です (2020年2月5日)
日本創造力開発センターの活動ページ をご覧ください。
*2019年度12月の活動報告です (2019年1月8日)
日本創造力開発センターの活動ページ をご覧ください。
*2019年11月度活動報告です (2019年12月5日事務局)
日本創造力開発センターの活動ページ をご覧ください。
*2019年10月度活動報告です(2019年11月6日事務局)
日本創造力開発センターの活動ページ をご覧ください。
*2019年9月度活動報告です(2019年10月4日事務局)
日本創造力開発センターの活動ページ をご覧ください。
*2019年6月30日(日)第32回CAMP子供発明ワークショップ/SCSK北浜オフィス(大阪)が開催されました。実施内容は( http://www.camp-k.com/wsreport/1022 / ) にあります 。
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*2018年9月2日(日)第31回CAMP子供発明ワークショップが東京大学 情報学環・福武ホールで開催されました。実施内容は( http://www.camp-k.com/wsreport/996/ )にあります。
*2017年4月23日(日)CAMP子供発明ワークショップが晴海のCAMPスタジオで開催されました。 実施内容は(http://www.camp-k.com/wsreport/960/ )にあります。
*2016年12月17日(土)NPO 法人日本創造力開発センターは創立10周年を迎え第10期通常総会と記念パーティーを開催いたしました。この総会において理事長は本馬達夫から交代し、新たに松木 暉が就任いたしました。また、NPO法人紹介の新しいパンフレット「明日のイノベーターを育てよう」 を作成いたしました。
*2016年12月NPO法人日本創造力開発センターおよび等価変換創造学会会員である久野敦司著作の書籍「発明少年・Z アイデアノートを使った発明能力鍛錬法」が株式会社パレードから新しく出版されました。
*2016年1月21日(木)、28日(木)CAMP発明ワークショップ@落合第六小学校(東京)が開催されました。 実施内容は(http://www.camp-k.com/wsreport/934/ )にあります。
*2015年12月公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会の機関誌「Value Engineering」NO.291 2015,
12 にVE関連技法の紹介シリーズのうちの一つとして「身近なモノを発想のヒントとする等価変換理論 松木 暉」が掲載されました。
*2015年7月17日(木) ソーシャルアクションリングホームページに NPO法人日本創造力開発センターの活動についての紹介記事が掲載されました。(http://www.social-action-ring.org/detail/detail-1232/ )
*2015年7月4日(土) 等価変換創造理論入門パンフレット『「異なるものの中に潜む同じもの」を見つける -新たな価値を生む創造の本質と応用展開-』を新たにアップロードいたしました。
*2015年6月28日(日)CAMP発明ワークショップ@秋葉原ダイビルが開催されました。
実施内容は (http://www.camp-k.com/wsreport/913/ )にあります。
*2014年4月13日(日)ナレッジキャピタル×CAMP発明ワークショップ(大阪)が開催されました 。(終了しました)
実施内容は( http://www.camp-k.com/wsreport/867/ ) にあります。
*2013年10月 NPO法人日本創造力開発センター副理事長で 等価変換創造学会代表幹事である松木暉著でリバネス出版社から 「創造性についての対話 ―発想のしくみとトレーニング法―」 が新しく出版されました。新しいものを生み出したいあなたへ贈る、 発想のしくみとトレーニング方法を学べる本です。( http://lvnshop.com/shopdetail/006003000003/order )
*2013年10月1日 通信講座「身近なものから学ぶものづくりのヒント」 を開講しました 。(http://www.jtex.ac.jp/A-21.htm ) 受講申込受付中です。
主催:JTEX・職業訓練法人 日本技能教育開発センター
*2013年8月20日(火)京都水族館×CAMP発明ワークショップ(京都)が開催されました。
実施内容は ( http://www.camp-k.com/wsreport/847/ )にあります。
*2013年6月11日(火)「等価変換理論の解説 」ページに「第4回:創造工学技術論による技術・技能の伝承」を掲載いたしました。
*2013年7月14日(日)ナレッジキャピタル×CAMP発明ワークショップ(大阪)が開催される予定で現在参加者募集中です 。(終了しました)
実施内容は ( http://www.camp-k.com/wsreport/832/ )にあります。
*2013年5月2日(木)「等価変換理論の解説 」ページに「第3回:フローチャートによる発明・開発事例の紹介」を掲載いたしました。
*2013年4月4日(木)「等価変換理論の解説 」ページに「第2 回:等価方程式とフローチャート」を掲載いたしました。
*2013年2月22日(金)新しく「等価変換理論の解説 」ページを追加し、「第1 回:創造理論の系譜、等価変換理論が出来た経緯、等価変換理論の概要」を掲載いたしました。
*2013年3月23日(土)CAMP発明ワークショップ@SCSK(株)中部栄オフィスが開催される予定で現在参加者募集中です。(終了しました)
実施内容は(http://www.camp-k.com/wsreport/821/ )にあります。
*2012年12月10日(月)新しく「ブログ 」ページをスタートいたしました。
*2012年1月21日 新しく等価変換創造理論(ET論)Q&Aのページを追加しました。
*2011年10月CSKホールディングス(大川センター)が中心となって開催されてきたこども向け「CAMP発明ワークショップ」のこれまでに蓄積したノウハウを集めたワークショップのパッケージ『CAMPACO(キャンパコ)』ができあがり、この度、SCSK株式会社よりCAMPの活動趣旨に賛同される方々に提供が開始されました。( http://www.camp-k.com/otona/achikochi/index.php )
*新しく「とうかカード」のページを追加しました。
*2008年12月絶版になっていた準共著である湯川秀樹/著 市川亀久彌/聞き役「天才の世界」が光文社知恵の森文庫から出版されました。
* 通信講座「図解 自働化カイゼン入門 ~からくりあれこれ~」
(http://www.jtex.ac.jp/H-54.htm )受講申し込み受付中。
【平成30年4月1日開講】
【令和元年7月31日現在、受講者累計341名】(2019.8.19更新 ) (NEW)
主催:JTEX・職業訓練法人 日本技能教育開発センター。
* 通信講座「図解 自働化カイゼン入門 ~からくりあれこれ~」
(http://www.jtex.ac.jp/H-54.htm )受講申し込み受付中。
【2018年4月1日開講】
【2019年7月31日現在、受講者累計341名】(2019.8.19更新 )
主催:JTEX・職業訓練法人 日本技能教育開発センター。
*通信講座「身近なものから学ぶものづくりのヒント」
(http://www.jtex.ac.jp/A-21.htm ) (2013年10月1日募集開始) 受講申し込み受付中 。
(2019年7月31日現在受講者累計801人)
主催:JTEX・職業訓練法人 日本技能教育開発センター
*通信講座『 ものづくりの「アイデア自由自在」-売れる商品のアイディアの出し方― 』( http://www.jtex.ac.jp/A-22.htm )現在 受講申込受付中。
(2019年7 月31日 現在受講者累計2158人 )
主催:JTEX・職業訓練法人 日本技能教育開発センター
*通信講座「具体例で学ぶ技術開発力UP講座(TRIZ、等価変換理論入門 )」
募集終了 (2014年 5月31日 現在受講者累計816人)
主催:JTEX・職業訓練法人 日本技能教育開発センター